帰宅したらマンションの外で近所の婦人部Oさん(仮称)に声をかけられた。
特に何も思わず、ご挨拶をしていたら。
「あの、選挙の時は公明党にお願いできます?」
おおう、油断してたらコレかい、と思いながら、
「いいえ、無理です」
と、正直に応えたら、Oさん(仮称)はやや間があった後に、
「ええっとですね」
と、なおも言葉を続けてこられたので
「夫とは考えが違うので公明党の応援はできません」
と、こちらも畳みかけて返したら、
「すみません、お引き留めして」
と、頭を下げられたのでこちらも
「すみません、ご期待には応えられなくて」
と、頭を下げ返して笑顔でその場を離れたある日ある午後の出来事。

どんは結婚早々に地区の人に「うちの妻は無理です」と宣言しており、「無理」だと分かっているのにどうして投票依頼をするのかと疑問ではあったのだが、「知らなかった」のか「忘れていた」のか「耳に入らなかった」のか「そんなの関係ねえ」のか「言えばなんとかなると思っていた」のか「少しは気を遣って社交辞令でも了承してくれると思っていた」のか…思いつく限りの選択肢を上げてみたが学会員さんの考えることはよく分からない…そのいずれかであろうと思う。
すみません、気を遣うつもりがなくて。
こういうことはハッキリしておきたい性分なもので。

だが、自宅に入るとどんに「Oさん(仮称)に会った?」と聞かれたのである。
「会ったよ。選挙のお願いされて断ったけど、どうして?」と応えると「実はさっきウチに来られて『奥さんと話をさせてください』って頼まれたんだよ。もちろん断ったけど」とのこと。
いやいやいやいや、Oさん(仮称)、あなたどんに断られたのに私にアタックをチャレンジしたわけですか?
どんに断られたところに私が帰ってきて、アタックチャーンス!だったわけですか?
さすがは「創価学会の主戦力は婦人部」と言われているだけある。
諦めが悪い。
本人が断ったので、もう次は無いだろうと思いたいところ。

どんは活動家時代から「嫌なときははっきり断られたい」と思ってきたらしい。
本当は嫌なのに、気を遣って「分かりました」と了承されると、大丈夫なんだと思い込んでしまう。
そしてその人に選挙の度に何度もお願い続けているうちに、後で「実は嫌だった」というのを知らされると、本当にいたたまれなくなるらしい。
同じことを思っている学会員仲間は彼の周囲にいると言うのだが、断ったらムキになって何度も来てトラブルに発展させてしまう学会員もいるからこそ、「気を遣って(その場を丸く収めようとする・相手を怒らせないようにする)了承してしまう」現象も起こるわけで。
「学会」といえば「しつこい選挙活動」は、もはやセット。
そのセットを恐れて、優しい嘘でも気遣いでも了承してしまう(そして選挙権のある人口を超えるF票が集まる)このスパイラルをどこかで止めてしまえれば良いのだが。
私とOさん(仮称)の今回のやりとりなんてほんの些細なことでしかないが、断ったことで嫌な思いをした人も多いだろう。
お願いする自由があり、断る自由がある。
一度断られたらスッと引いてくれれば、双方幸せだと…ってF票が集まらないし福運が溜まらないから双方幸せではなく、こちらを立てればあちらが立たずってことですね。

そんな話をどんとしていたらば。
「座談会に行ってもね、時々『奥さんと話したい』って言われるんだけどね、『やめておいたほうが良いですよ』って断ってるよ」
とニコニコしながらどんは言った。
ん?「やめておいたほうが良い」?
「Oさん(仮称)にもそうやって断った?」
「うん」
なんだその恐怖を煽るような、「悪いこと言わないから」という相手を思っての一言みたいなニュアンスを含むような、そのくせ覗いてみたいという好奇心をくすぐるような、「うちの奥さん怖いんです」を暗に言っているような、その言葉は。
他にも無難な断りの文句があるだろう!
「やめておいたほうが良い」じゃなくて「やめてください」でいいでしょう!
いや分かりますよ「やめてください」って言葉がキツくてお仲間に言いづらいのは。
それに、何を言ってもしつこく食い下がるかもしれません。
でも、どうせ食い下がるんだったら、そういう言葉で私を得体の知れない何かに仕立てるのはやめてくれる?

なるほど。
毒鼓の縁と言う教えがあった上に、「やめておいたほうが良いですよ」と何が起こるか分からないような含みのある言い方をするから、学会の主砲で主戦力の婦人部の「負けじ魂」に火をつけると、だから「断られても話がしたい」と思うわけですね。

つまり、すっぱり断ったつもりで満足げに微笑む私の夫にも一因があるわけですか?


※私は怖い妻ではありません多分。

追記:
さっきコメントを返していて思い当たったのですが、結局どんが何をどう言おうと根本的にどんが私に学会を関わらせないようにしていること自体が彼女たちは嫌なんであって「どんさんが言わないなら私達が!」になっているような気がしてきました。
………orz