田口壮選手のカージナルスがワールドシリーズで優勝した。
彼の(公式日記の)ファンとしては大変に嬉しいことである。
でもでも、やっぱり野球よりもサッカーが好きなので(申し訳ない)。
サッカーの話題を。
友人宛に書いた文章をブログに転載。

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中田英寿氏がフィリピンでスラム街の子ども達とサッカーをしたそうで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061030-00000011-spn-spo
以下抜粋

中田氏 スラム街で子供たちとサッカー
 W杯ドイツ大会後に現役を引退したサッカーの元日本代表MF中田英寿氏(29)がフィリピンに姿を見せた。関係者によると途上国の問題に関心を示す中田氏が、国連開発計画(UNDP)の案内で意欲的に地元市民らと交流。今後、中田氏を中心に国際的な社会貢献活動の輪が広がる可能性が出てきた。
 日本サッカーをけん引してきた男の近況が意外な形で飛び込んできた。中田氏はマニラ首都圏ケソン市のスラム街を予告なしに訪れ、子供たちを喜ばせたという。地元紙インクワイアラーも「物事を違う側面から見た時、人々を助けるため何が本当にできるか分かるだろう」などという談話とともに現地での活動を紹介。スラム街の子供にボールを贈る中田氏の写真を1面で掲載し「日本のフットボールスター来訪」の見出しで伝えた。
 中田氏は27日に東京からフィリピン入り。「サッカーを通じてスラムの子供に夢を与えたい」というUNDPに共感し、ナイキ社の協力を得てサッカーボール50個を持参したという。車やガソリン代、スタッフの費用などはすべて自腹。ゴミ集積の過酷な労働状況を視察するとストリートチルドレンにボールを贈り、ともにプレーした。関係者によれば「ボールが1個あればコミュニケーションが取れる」と話していたという。
 中田氏は現役時代から貧困撲滅を目的とした国際的運動に協力。運動の象徴でもある「ホワイトバンド」普及では日本国内で主導的な役割を果たしてきた。以前から社会問題に関心が強く、地元紙にも「サッカー選手としては5つ星のホテルから世界の一部分しか見てこなかったが、これからの旅でこういう部分を見たい」と語っている。
 さらに積極的な提言も行った。地元組織「都市貧困者のための大統領委員会」のチャベス代表は中田氏が関係者にスラム街に公園をつくるよう提案を行ったと証言。また中田氏は帰国後に「他のプロアスリートにも経験を伝えたい」と話したという。周囲との連係に関しては「リアクションはコントロールできない」と確約は避けたものの、「少なくとも自分の経験を共有できる」と発言。自身の見たものや感じたことを積極的に伝えることで問題解決にかかわっていきたいという中田氏の思いが垣間見えた。
 海外では高額年俸を稼ぎ出すスポーツ選手の社会還元は当たり前。最近では日本のスポーツ界でもボランティアへの意識は高まりつつある。ピッチから舞台を変えた中田氏だが、現役時代同様の切れ味鋭い“キラーパス”で社会にさまざまな問題解決を問い掛けていくことになりそうだ。
(スポーツニッポン) - 10月30日9時46分更新
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既に、現役選手でありながら自分がかつてプレイした南米の貧しい国の子ども達のために何が出来るかを考え「貧困を解決することは無理でも、サッカーボールをプレゼントする(子ども達はサッカーが大好きであり、南米ではサッカーは貧困から脱却し成功するチャンスでもある)」という活動している選手がいる。
東京ヴェルディ1969の廣山望選手だ。中田氏と同世代の選手であり、世代別日本代表・A代表経験もある。
ジェフ千葉からパラグアイのチームへの移籍(リーグ優勝に貢献)を皮切りに、ブラジル・ポルトガル・フランスのチームを渡り歩いて来た。
もともとMFだが、週刊サッカーダイジェストを読んでたらFWにコンバートされて活躍しているという記事が出ていた。すげ。(私がその雑誌を実は読んでるっていうのがw)
ただ、ヴェルディはJ1昇格の可能性が消えてしまったのだけれども。
公式 http://nozomi.txt-nifty.com/nozomi/
活動 http://www.proyecto-esperanza.com/
(コピーペーストでよろしく)
経歴からは逞しさを感じるし、ブログの情感豊かな文章表現は彼の聡明さを物語っていて、凄い、と思う選手の一人である。

中田氏をマスメディアが注目するのは当然のことだろう。
もはや中田氏は「アイコン」であり、そのアイコンが関わるボランティアや啓発活動は注目を浴びる。
中田氏もその影響力をわかって行動している。
その行動力は素晴らしいと思う。

だが、マスコミはどうだろう。
マスコミは(有名な)日本代表選手のことしか報道しない。
サッカー専門誌やサッカー担当記者でないかぎり廣山選手の名前を知らないだろうと思う(廣山選手が有名ではないという意味ではなく、マスコミはJリーグ、ましてやJ2を重視しないという意味で)。
中田氏に注目がいくけれど、廣山選手が各国のリーグを渡り歩いたこと、そこで見てきた南米の現実を踏まえて「南米の子ども達にサッカーボールを」という活動を組織化して以前からしていることは注目されない。
他にもJリーガーでボランティアに関わっている選手もいることや、スタジアムの指定席をいくつか年間で買いあらゆる事情のある子ども達を招待している選手達もいることは、マスコミは取り上げない。
中田氏じゃないから。
中田氏だからマスコミは取り上げるのだ。
記事中でも「最近では日本のスポーツ界でもボランティアへの意識は高まりつつある」としか触れていないし、まるで中田氏がその先陣を切ったかの如く書いているようにさえ感じる。
他にも中田氏は「他のプロアスリートにも経験を伝えたい」と語ったと書かれている部分、それもまた中田氏が最初であるかの表現である。その経験を既に持っているプロアスリートは他に居ないわけではないはずなのだが。
マクロなものに目を向けるのは仕方がないと思う。数字も取れるしそのほうが分かりやすい。
でも、ミクロに目を向けることは出来ないものか。
せめて、「他にもそういう活動をしている選手はいないかな?」と調べて紹介することは出来ないものか。
草の根運動がマスコミの注目を一度浴び紹介されるだけで、支援者や協力者が増えその後の運動がスムーズになる。
そういう活動をしている選手が皆、国連と関わることが出来るわけでも世界中を自分探しの旅が出来るわけではないからこそ、「自分に出来ること」を見極めて地道にボランティア活動をしている。
有名な選手のすることばかりを追いかけるのではなく、地道に活動している人たちを「世間に紹介する」という形でのマスコミのボランティア参加は出来ないものなのだろうか。


中田氏は「サッカー選手として5つ星のホテルから世界の一部分しか見てこなかった」と言い、廣山選手は「パラグアイの交差点で家族を支えるために働く少年達が目を輝かせながらサッカーの事を聞いてきた。その目の輝きを忘れない」と言う。
二人の29歳がサッカー人生の中で見てきたものの違い。
中田氏の「自分探し」はそういうことかもしれないと思うと同時に、自分を探すまでもなく成すべきことをしている廣山選手の視野の広さや精神を尊敬する。