結局、誰が嘘をついているのか分からない状態の「マンションなどの耐震強度偽装問題」。
目下、マスコミの標的はヒューザー社長であるらしい。
二転三転発言の果ての「重畳的」条件の提示など、姉歯氏同様、怪しさはこのうえないわけだが未だ真相は闇の中。
ひたすら購入された住民の方々が気の毒である。

ヒヤリ、としたことは事件発覚直後に姉歯氏が発言していたこと。
「安さを追求していく風潮が建築業界にあった」。
このことを、あまり誰も触れない。
扱い方によっては姉歯氏をかばうことになるからだろうか?
かばうことにはならないと思うけれど。
その風潮に彼が結局乗っていたのは現実だから。
我が業界でも吹きすさぶ「安く早く」の風潮。
急かされて連発するミス、おろそかになる校正、結果、誤植の嵐、刷り直しで結局大損害。一番やるせないパターンのミスである。
広告の「安さや早さ」を望んでいるのは消費者ではなく、広告を打つ企業側である。
だが、広告の重要性を知り、それなりの価格で広告にじっくり取り組む企業の方が息は長かったりする。
とはいえ安い値段に合わせたデザインをしても、誤植をしても、人は死なない(誤植は会社の損害ですが)。
これが安い値段に合わせるための安全性基準や耐震性の手抜きになったら。

消費者の要望をはるかに越えた、企業側の一方的で過剰な価格破壊行為があるような気がしている。
風潮の起源は消費者ではないと思うのだ。
ものには適正価格があることを、企業自身が無視しているように思う。
安くて良いものがあるに越したことはないが、安くて良いものを作るのは限界がある。
私は、なるべくその風潮の中でもベストを尽くし良いものを安く早く作ろうとしているのだけれど、それでも自分の仕事につけられるクライアントからの値段にため息をつくことは、もはや日常である。
安く早くを提示されると、品質を落とさないようにひたすら数を捌くことしか利益を上げる術はない。
くどいようだが、その「クライアント」とは消費者ではない。企業だ。
私は自分の手で、自分の価値を下げているような気さえしてくる。潰されるのかも、と夜の会社で思ったりする。
だが、どんなに安くても金銭が発生する以上は、手を抜くということが出来ない。
良いものを作らなければ、競争に負けるのである。
私も、消費者をないがしろにする「安く早く」の風潮の中にいるのだと思う。

と、そんなことを触れつつも。
本題はこっち。

だいちゃんさんがタレこんで下さった「公明党国会議員を通じてヒューザー社長が公表前に国土交通省に担当者と面会していた」ニュースは今日になって読売新聞配信でYAHOOニュースにも出ていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051128-00000307-yom-soci
正確には、公明党国会議員は東京都区議会議員から相談を受け、国土交通省に担当者を教えてほしいと連絡し、段取りをつけたということである。
ヒューザー社長が何を言いたかったのかというと「民間の確認検査会社がずさんな検査をした」と。で、「建築確認は国の仕事で、建築基準法に合わないマンションが出来たのは国の責任だ」と。
…………………えーっと。

この公明党議員は「社長とは面識がないし、献金なども受けていない。地元からあがってきた苦情について橋渡しをしただけ」とおっしゃっている。
地元から、ですか。
……公明党議員の言う「地元」は高い確率で学会員である。何かと公明党議員をあてにしたり仲介をお願いする学会員さんはいらっしゃる。
どんの友人の学会員でも何かにつけ「公明党議員に言う」と口にする人がいる。選挙に勝たせたんだから、という心理が働くらしい。
ある種、権力に媚びない姿勢でもあり結構であるとは思うが、公明党議員は学会員の利便を計るために政治家になるわけではないと思うのだが、違うんですかね?
だが、こういうトラブルに巻き込まれた上に邪推されたりするので、議員をあてにするのは自制したほうがよろしいかと。はい。
陳情をくみ取らない議員はいかがなものか、という話になるのだろうが、この場合「検査会社がずさんな検査をした」と言うのなら、陳情して国の責任を問う前に、しかるべき場所に相談ではなく告発するのが筋ではないかと思うのだが。
トラブル=言い分を信じて仲介をしたら、公表されてビックリ!聞かされていない話がいろいろ出てくること。
邪推=あの人って学会員なのかなあ、とか。なんかイロイロ関係があるのかなあ、とか。なんで自民党に知り合いがいるのに公明党議員なのかなあ、とか。我ながら下世話だなと思ってしまう華の「勝手な」予想のこと。


なんで自民党に知り合いがいるのに、公明党議員を?
そう。元国土交通省長官の自民党国会議員も、ヒューザー社長を国土交通省幹部と引き合わせている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051126-00000032-mai-soci
時期としては同時期。
しかし、マスコミに取り上げられるのは、自民党議員ばかりである。
両議員共に偽造であることは知るよしもない事だったろうと思う。ヒューザー社長の言い分を信じていらっしゃったと思う。
それは区議とて地元の誰かとて同じだったはずである。
地元の陳情を受けて段取りをしただけの公明党議員よりも、連れだって訪問した自民党議員の方が、圧力として大きいとは思うし、なにやら具体的な話も出たという。それが問題なのだと思う。
公明党議員は面識がなく、自民党議員の方はヒューザー社長といろいろ繋がりがあるということも、何か意味がありげでもあるのだろう。
だが、問題の公表前に政治家が介入していたということは同じではないだろうか。
YAHOOのニュースで知った私が見たテレビのニュースは夜の報道ステーションだが、その番組でも、自民党議員ばかりを取り上げていた。
仕事の合間に昼のワイドショーを見ていたらしいどんが言うには、どうやら自民党議員に関する報道だったらしい。
だから、私が帰って「公明党議員も仲介していた」と発した言葉に「自民じゃないの?」という返事が返ってきたくらいだ。

真相が掴めないままで、分かりやすく誰かを悪者にしたいマスコミ的には、その二転三転の発言で態度を変えるヒューザー社長は「目下の標的」なのだろう。
個人的に繋がりがあった自民党議員を取り上げるほうが、悪者ぶりに箔が付く。
「方法は違うものの仲介している事実はあるが、公明党議員を下手に触ると創価学会というタブーに触れることになるかもしれない」というリスクを犯すよりは、パーティー券云々と国民に取っては嫌な感じの繋がりを強調した方が、「いろいろな疑惑」を演出できる。そこにマスコミの意図を感じる。
主に広告費の関係で(他にもいろいろ?)、結局のところ力関係は創価学会>マスコミである。マスコミは勝手に学会に気を遣うように出来ているわけで。
叩きやすいところをわざわざ取り上げて叩くマスコミは、いかがなものだろうか。
自民党議員との繋がりを取り上げるなら、公明党議員のことも同じくらい取り上げてしかるべきでは。どこにどういう情報が潜んでいるかは分からないというのに。
まだ、全ての真実が明らかになってもいない。
確かにヒューザー社長は怪しいし対応に不信感は募る。
しかし、マスコミの役目は「誰が一番悪いのか」を「誘導」して「演出」することではないし、マスコミは「正義」でもないと思う。
こっちは一連の問題に関わる建築業者だけでなく、「力関係の強いところには触れない」という報道をするマスコミにも強い不信感なのだが。