この度の台風で被災された方々、お見舞い申し上げます。
行方不明の方が一日も早く、出来ればご無事で帰還されることと
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

そんな中で、9月7日の聖教新聞を見て、不愉快になった。
4コマ漫画である。
明らかに台風と思わせるかのように、家の外は荒れ模様。
高齢の男性が「友達と話したくてうずうずしているのに(選挙依頼?)」と悔しがる。
話したがるというのは、世間話ではなく、時期からして選挙だろう。ここ最近の漫画では家庭訪問や電話をする学会員のエピソードが何度か描かれている。
しかし、「でもこれはチャンス!こんな時だからこそ、友達は家にいるはず、私には電話という味方がある」とやおら電話をかけだす。

台風の日に足腰の弱い高齢の方は外へ出ては行けないという啓発だろうか。
家にいる時間さえても有効に(選挙活動に)使えという啓発だろうか。
いずれにしろ、不愉快である。

●電話の相手も台風のまっただ中にいる場合。
1.台風だからといって、皆が家でのんびりしているわけではない。
自分の身と家族と家を守るために、支度がある。
浸水だの屋根が飛んだだの、そこまでいかなくても、相手には相手の家の事情というものがある。
2.台風の日、電話回線は空けておいた方良い。
出先にいる家族からの連絡、地域の緊急連絡網等々、緊急の電話というものがある。
台風に限らず、地震等の災害の時は、心配でも被災地への電話は控えるのが常識である。

●電話の相手が台風とは関係ない場所にいる場合。
1.台風の日、電話回線は空けておいた方良い。
出先にいる家族からの連絡、地域の緊急連絡網等々、緊急の電話というものがある。
この高齢の男性の家の電話に「キャッチホン」がついていることを願う。
2.戸惑い。
台風のまっただ中にいる人間から(選挙依頼の)電話があると、「こんな時にこういうことしていていいのかこの人は」という心配を与える。…………そういうのはどうでもいいけど。

●どちらにしても。
毎年、台風による家屋への被害は起こる。人命さえも失われる事もある。
台風の日にするべきことは、自分の命や家屋を守るために警戒を怠らないこと、出来る準備をしておくのであって、「チャンス!家にいる」と電話をかけるべきではない。
そりゃ家にはいるよ。でも世間話も仏法話も選挙依頼話も聞いている場合ではないのだ。

●最大の不愉快。
この4コマ漫画の対面の部分。10面の右角に「台風14号 5人死亡、15人が不明」という見出しがある。
尊い人命が失われ、無事かさえわからない人がおり、家屋に甚大な被害を及ぼしたこの度の台風。
一方で「台風でみんな家にいるだろう、チャンスだから電話しよう」という漫画を掲載する無神経さ。
亡くなってるんですよね、人が。まだ行方が分からない人がいらっしゃるんですよね。住む家を無くした人も、農地や家畜を失った人もいるんですよね。
多くの人々に読まれる新聞ならば、せめて台風に備えるための漫画にするとか、それこそ被害がないように祈って題目あげる漫画にするとか、それくらいの配慮があっても良いのではないだろうか。
だが、これが台風の前に描かれて新聞社に渡されたものならば、この不愉快の根元は漫画家ではなく聖教新聞社側だ。
隣の紙面に台風被害の記事を載せるということが確定した時点で、漫画の内容を差し替えるなり休止にしたほうが賢明だったと思う。
台風の記事が掲載される、このタイミングであの漫画掲載は、不謹慎すぎる。
今まだ予断も許さない状態で、新しい台風も発生したというのに。

痛ましい被害を与える災害が起こる、その側で、これはチャンスだから選挙依頼だか広宣流布だかの電話をしろと言う。
このタイミングでそういう漫画を掲載というのは、心の中のどこが麻痺したら出来るのだろうか。