少し前のことなのだが。

新婚で引っ越したばかりのウチに、Aさん(11/25の日記参照)が遊びに行くからと突然の連絡があった。
Aさんは私とどんの共通の知人で、さらに私とAさんの共通の友人の女性Kさんも伴うという。
そのKさんも創価学会婦人部。
AさんとKさんは学会ではなく仕事を通して知り合ったのだが、最初は互いに学会員とは知らなかったという。
どんとAさんも昔に仕事を通して知り合っていて、会館で鉢合わせてびっくりしたらしい。
で、最初はAさんKさん二人で来るという話が、Aさんが「K(Kさんは既婚女性、Aさんは壮年部独身男性)と二人きりではマズイから」ということで、Bさんという方も一緒に来るという。
スイマセン、Bさんって誰ですか?
「どん、Bさんって知ってる?AさんKさんと一緒に来るっていう人」
「ああ、学会の古い友達よ。昨日会館で会ったんだけど『Aさんからどん君の家に遊びに行くよって誘いを受けたんだけど、いいの?』って聞かれたよ」
………また創価学会員か!

フィーリングカップル4:1。
4が創価で1が無宗教(実家は真宗)。

……………ピンチ。私ピンチ。聞いたことがあるよこのシチュエーション。
学会員の友達が遊びに来たら、さらに友達の学会仲間も数人くっついてきて折伏されかけたとか、
学会員の友達に呼び出されて遊びにいったら、そこには友達の学会仲間もいて以下略とか。
それですか?そうなんですか?
BさんKさんはともかく、Aさん。Aさんの魂胆が怖い。話すたびに「学会員になれ?」としつこいAさんが何を考えているか怖いぞマジ怖いぞ。
そしてAさんの愛すべき欠点に「先走り」がある。いろんなことを先走って考えて一人で大騒ぎするのである。それが面白いから「愛すべき欠点」なのだが(たまに迷惑)。
学会員と非学会員が結婚したからって、もしやまた先走ってる?

折伏フィーリングカップル4:1。
4が創価で1が無宗教(実家は真宗)。

いや、ただ単に遊びに来たいだけかもしれないし、疑っては失礼。
失礼じゃないか私。
大丈夫。嫌がる私に強要するような人じゃないよ。
学会員4人といっても、うち1人はどんだ。きっと守ってくれる。
一応BGMはゴスペルを流そう。歌っちゃおう。この機会に興味のあったしどんも読みたがっていたからイザナギ流の本とか買って参考にしてお札も貼っておこうかな。それと神社で家内安全のお守りを買って。にんにくとか玄関に飾ったりして。真宗って南無阿弥陀仏だっけ。アタシ負けない。南無妙法蓮華経には負けない!

………十分、失礼ですね私。すみませんでした。

疑うのは失礼とは思うものの、日頃のAさんの言動と先走りを思えばいまいち不安だ。
私とAさんの共通の友人で、学会員でない人は何人もいる。
その中にはどんも知っている人だっている。
なのにその人達を呼ばずに、私とは面識のない学会員の人を呼ぶのは何故か?
人様の家に遊びに行くわけだ。その家の住民とは面識のない人間より、面識のある人間を伴うのが自然なはず。
しかも、Bさんも伴うことを、どんに了承を得る前にAさんBさんの間だけで決めている。
怪しい。かなり怪しい。
でも、BさんKさんは面識がないというし、結託して折伏というわけではないだろう。
だからAさんをBさんKさんが加勢するとは考えにくい。
っていうか、Kさんとも面識のないBさん呼ぶなんてどういうこと?
あれか?多くの学会員さんと私を引き合わせることによって懐柔させようとしてる?
Aさんの真意は分からない。
分からなさすぎて怪しい。かなり怪しい。

とりあえず警戒。厳戒警戒態勢発動。
先手根回し作戦決行。
「どん、Aさんって折伏しに来るつもりじゃない?」
「また?、疑いすぎだよ」
「だってさあ…私とどんとAさんと共通の知り合いで学会員じゃない人もいるのに、
わざわざ私とは面識のない学会員を誘うっておかしくない?」
「それはそうだけど警戒しすぎじゃない?」
「話題に出なかったらそれはそれでいいのよ。でも話題に出るだけならまだしも折伏するつもりとかだったらさあ。私何回も嫌だって言ってるのに、会うたびにそんな話するしさあ。なんかまた先走りの気配がするんだけど」
「……うーん」
「でね、Bさんにお願いしてほしいの」
「は?」
「もしAさんが先走って折伏しはじめたらBさん止めてくださいって」
「えーーーー」
どんにもAさんにも申し訳ないとも思ったし、考えすぎだとも思ったのだが。
なんせ厳戒警戒態勢中。過剰防衛でも防衛は防衛。保険はかけておいたほうがいい。
なだめすかしてお願いして、どんはBさんに「ちょっとシチュエーション的に妻が警戒しているので」と伝えてくれた。
ふふふふふ、Aさん。出会ったことの私とはもう違うわ。あなたに鍛えられたのよ。
皮肉ね、あなたがライトな折伏トークをする度に、私はあなたから離れていくの。
あなたは私にがっかりするかもしれないけど、こんな私にしたのはあなた…。

あとはKさんへの根回しである。
彼女へはどう言うか、考えていたところ。
約束の日に、私に休日出勤の予定が入り、どんに急な着任の予定が入った。
ビバ!仕事!!ビバ!着任!!
先走ったのはAさんなのか、私なのか。
かくして、Aさんの「またの機会にね?」という真意の見えない陽気な声と共に約束は流れていった。

学会の人との友達つき合いは、相手がバリバリであればあるほど「折伏されるのでは?」という不安がぬぐい去れずに一定距離をおいてしまう。(どんは信頼しているし宗教は個人のものと考えているので、そういうことはない)
私自身の「人を疑う」という心の問題でもあると思うし、嫌なら断ればいいだけの話だが、相手が引き下がらなかったら相手を嫌ってしまい友達を失ってしまうことになるような気がしてしまうのだ。
創価学会に限らず相手の属する団体のイメージが自分にとって良くなければ、それに巻き込まれることに警戒するのは仕方のないこととは思えど、そのイメージに振り回されてしまうことにも悲しさを覚える。
うーん、難しい。

ところで。Aさんの「Kとは二人きりではマズイから」発言。
「間違いを起こさない自信がないんだよねえ」とのことで。
……は?
「いくらKが既婚でもねえ、男と女でしょ。あるわけよ。揺らぎが」
……………何言ってんだこの人。なんでニヤニヤしてるの?
このAさんの話をKさんにしたところ。
「馬鹿じゃないの?なんで私がAさん相手に揺らがないといけないわけ?なに自惚れてるの?つーか私にも選ぶ権利くらいあるわよ!つーかAさんと二人きりで閉じこめられても間違いなんて起こすわけないじゃないのよ!人類が滅んで二人だけになってもあり得ないわよ間違いなんて!!」
と一気にまくしたてた。
その通りです。Aさんのいつもの先走りです。
「あーゆー人のことをねえ、信心が足りないっていうのよ!!」
ごもっともでございます。